薄毛・抜け毛が気になる男女へ|漢方・OTC・四季の養生30のヒント
2026/11/02
「分け目が前より気になる」「髪のボリュームが減ってきた」。そんな変化に気づいたとき、何から始めたらよいのでしょう。薄毛の原因は一つではありません。まず必要な診察につなぎ、そのうえで体調や暮らしに合う方法を選ぶことが、あおい薬局の相談の出発点です。
こんにちは。東京都練馬区貫井のあおい薬局で漢方・養生の相談を承っている、薬剤師の寺本仁、地球人てらじんです。漢方・生薬、養生、予防医学を日常に生かすお手伝いをしながら、ディジュリドゥと法螺貝の演奏もしています。
あおい薬局では一般用医薬品やサプリメントやイスクラ・コタローなどの漢方薬、塩や油などの食材なども活用しています。自然なものを大切にしたい、顆粒が苦手、外用剤を使いたい、予算を決めて続けたい。そうした好みも伺いながら、適応・安全性・続けやすさを一緒に確認します。
このコラムでは、①薄毛の見分け方、②漢方・生薬の考え方、③OTC・サプリメントの選び方、④食事・睡眠・頭皮ケア、⑤四季の養生、⑥相談と継続の進め方を30章で紹介します。漢方や養生による発毛を約束する記事ではありません。急な脱毛や頭皮の炎症は、まず皮膚科へご相談ください。
目次
まず知っておきたい、薄毛・抜け毛の見分け方
01|髪の変化は、暮らしを見直す小さなきっかけ
薄毛が気になり始めると、鏡を見るたびに落ち込んだり、広告の商品を次々に試したくなったりするものです。でも、最初にすることは買い足すことより、いつから・どこが・どのように変わったかを整理すること。
生え際、頭頂部、分け目、頭全体では、考える原因が違います。抜け毛だけでなく、かゆみ、痛み、フケ、最近の病気や服薬の変化もメモしてみましょう。「少し気になる」段階で相談して構いません。髪の悩みを、自分の身体を丁寧に扱う入口にしていきましょう。
参考:日本皮膚科学会:毛周期
02|毛周期を知ると、毎日の抜け毛に振り回されにくい
髪は、伸びる時期、成長を終える時期、休む時期を繰り返しています。これが毛周期です。抜け毛があること自体は自然で、季節や洗髪の間隔によって、目につく量も変わります。
大切なのは、その日の本数だけで判断しないこと。以前より細い毛が増えた、地肌の見え方が変わった、といった経過も見ます。毛周期のある髪は、対策の評価にも時間が必要です。数日で商品を替えるより、何を使い、どの時点で見直すかを医師・薬剤師と決めておくと、続け方が明確になります。
参考:日本皮膚科学会:毛周期
03|男性の生え際・頭頂部の薄毛は、AGAの確認を
男性で生え際が後退したり、頭頂部の髪が徐々に細くなったりする場合、男性型脱毛症、いわゆるAGAが候補になります。遺伝的な背景や男性ホルモンの作用が関わるため、「生活が乱れているから」と自分を責める必要はありません。
食事や休息を整えることは健康づくりに役立ちますが、それだけでAGAの進行を抑えられるとは限りません。皮膚科で状態を確認し、必要なら医学的な治療を検討しましょう。あおい薬局では、治療薬を含めた使用中の薬を確認し、日常の養生や併用する商品の相談を承ります。
04|女性の分け目・ボリュームの変化を、年齢だけで片づけない
女性では、分け目や頭頂部を中心にボリュームが減る女性型脱毛症がみられます。一方で、出産、体調不良、栄養不足などに伴う脱毛が重なることもあり、見た目だけで原因を決めることはできません。
更年期の時期だからといって、薄毛がすべて女性ホルモンのせいとは限らないのです。月経の変化、食事、疲れやすさ、服薬状況も受診時に伝えましょう。「女性の薄毛にも使える」と書かれた商品でも、妊娠・授乳中などには使えないものがあります。自分に使えるかを先に確認することが大切です。
漢方・生薬から、髪と身体を見つめる
06|漢方相談は、髪と一緒に身体全体の調子を聞く時間
漢方相談では、髪だけを切り取らず、食欲、便通、冷え、のぼせ、眠り、疲労感なども伺います。同じ「抜け毛が気になる」でも、暮らしや身体の状態は人それぞれだからです。
漢方の気・血・水といった言葉は、全身の状態を整理する伝統的な見方です。薄毛の医学的な診断や、発毛効果の証明と同じものではありません。あおい薬局では、この見方を相談に生かしながら、各製品の効能・効果と使用上の注意に沿って選択を考えます。必要な皮膚科診療と、毎日の体調管理をつなぐ時間にしていきましょう。
07|「血虚」が気になるときは、食事と疲れ方も確かめる
漢方には、身体を養う働きが十分でない状態を「血虚」と捉える考え方があります。髪や皮膚の乾燥、疲れ方などを、ほかの症状と合わせて見ていくための言葉です。
ただし、漢方でいう血虚と、血液検査で判断する貧血は同じではありません。動悸や息切れ、強い疲労、月経量の多さが気になる場合には、医療機関にも相談しましょう。食事量を減らしすぎていないか、たんぱく質を含む食材を食べられているかも大切な確認点です。髪のために何かを足す前に、普段の食事を一緒に振り返ります。
08|「腎」と年齢の話は、今の自分を理解するために
中医学では、成長や加齢に関わる働きを「腎」と結びつけ、髪との関係も考えてきました。この腎は、現代医学でいう腎臓そのものを指しているわけではありません。
年齢とともに髪が変わるとき、休養の取り方や体力の使い方も見直してみましょう。補腎という言葉だけで漢方薬を選んだり、白髪・薄毛に誰でも同じ製品が合うと考えたりすることはできません。冷えやほてり、胃腸の状態、併用薬によって選び方は変わります。年齢を敵にするより、今の身体で心地よく続けられる方法を探していきましょう。
09|ストレスがある日は、髪だけでなく休む仕組みを
気を張る日が続くと、食事を急いだり、眠りが浅くなったり、肩に力が入りっぱなしになったりします。漢方相談では、こうした状態を気の巡りという視点でも整理します。
ただし、「ストレスが原因」と決めつければ、ほかの病気や脱毛症を見逃すことがあります。ストレス対策と原因の確認は、両方が大切です。昼休みに外の光を浴びる、仕事の終わりに肩をゆっくり動かす、予定を一つ減らす。髪が生えると約束された方法ではなく、消耗しすぎない毎日をつくる小さな工夫として取り入れましょう。
協励会のOTC・漢方薬・サプリメントを選ぶ
11|協励会の選定品を中心に、OTCの役割を整理する
OTCとは、薬局などで相談・購入できる一般用医薬品のことです。当薬局では協励会の選定品・商品を中心に扱いながら、何の症状に、何を目的として使うかを確認しています。選定品という呼び方だけで、薄毛への効果が保証されるわけではありません。
発毛剤、医薬部外品の育毛剤、頭皮を清潔に保つ化粧品、栄養補助のサプリメントでは、役割も認められた表示も違います。外用剤を使いたい、頭皮のかゆみを先に相談したいなど、希望に合わせて整理します。取扱いや在庫は商品ごとにお問い合わせください。
12|ミノキシジル外用は、使える脱毛かを確認してから
ミノキシジル外用は、男性型・女性型脱毛症の治療で推奨される選択肢です。ただし、すべての抜け毛に使えるわけではありません。OTC製品には、対象となる性別や年齢、用量、評価までの期間が定められています。
妊娠・授乳中、急な脱毛や原因不明の脱毛、傷や炎症のある頭皮などは、添付文書に従って使用を避ける必要があります。持病や血圧、使用中の薬も薬剤師に伝えましょう。多く塗れば早く生えるわけではありません。動悸、むくみ、頭皮症状など異変が出たときの対応も、使用前に確認しておきます。
13|皮膚科の治療と漢方相談を、無理なくつなぐ
AGAには、医師が診察のうえで選ぶ内服薬などの治療があります。女性には使うべきでない薬もあるため、ご家族の薬を分けてもらったり、自己判断で個人輸入したりすることは避けましょう。
皮膚科で治療を受けながら、食事や休養、併用する漢方薬について薬局で相談することもできます。「治療薬を飲んでいるから、漢方の話はできない」ということはありません。お薬手帳をもとに役割の重なりを確認します。受診先での治療を自己判断で中断せず、変更したい場合は主治医に相談しましょう。
14|サプリメントは、不足と必要性を確かめて選ぶ
鉄や亜鉛などの不足が脱毛に関わることはありますが、不足していない人が多く摂れば髪が増える、という意味ではありません。食事内容や症状、必要に応じた医師の検査結果をもとに、補う目的を明確にします。
亜鉛の摂りすぎは銅不足などを招くことがあり、複数のサプリメントの重複にも注意が必要です。ビオチンは髪向けに宣伝されますが、健康な人への上乗せ効果を裏づける根拠は限られています。検査値に影響する場合もあるため、受診時にはサプリメントの名前と量も伝えてください。
髪のことから始める、毎日の養生
16|髪の材料を考えるなら、まず三度の食事から
髪のために一つの食材ばかり増やすより、食事全体を整えることから始めましょう。ごはんなどの主食に、魚・肉・卵・大豆製品などの主菜、野菜やきのこを使った副菜を組み合わせると、偏りを見つけやすくなります。
急な減量で食事量を大きく減らしたあとに、抜け毛が増えることもあります。黒ごま、海藻、ナッツなども食事の一部として楽しめますが、特定の食品だけで薄毛が治るわけではありません。胃腸が弱く一度に食べにくい方には、量や回数、調理方法を暮らしに合わせて考えます。
17|睡眠は「髪のゴールデンタイム」より、自分に必要な休息を
「この時間に眠らないと髪が育たない」と考えると、眠りまでプレッシャーになってしまいます。まずは、起きる時刻を大きくずらさず、日中の眠気や朝の休まった感じを見てみましょう。
厚生労働省の睡眠ガイドでは、成人は個人差を踏まえ、6時間以上を目安に必要な睡眠時間を確保するとしています。6時間で十分という意味ではありません。夜のカフェインや飲酒、寝る前の画面、寝室の環境も振り返ります。強い眠気や不眠が続くときは、髪のためと我慢せず、医療機関へ相談してください。
18|呼吸と音を、緊張をほどくひとときに
私はディジュリドゥや法螺貝を鳴らすなかで、自分の呼吸や身体が緩むのを感じる時間を大切にしています。日常でも、楽な姿勢で肩の力を抜き、無理のない呼吸を感じるだけで、リラックスするきっかけになります。
好きな音楽を聴く、窓の外を眺める、静かに座る。自分が心地よいと思える方法で構いません。深く吸おうと頑張ったり、息を長く止めたりする必要はありません。音や呼吸を薄毛治療として勧めるものではなく、忙しい一日のなかに少しでもリラックスできる時間を取り戻す養生としてお伝えしています。
19|頭皮ケアは、強く洗うより刺激を減らす
頭皮の脂をすべて落とそうと何度も洗ったり、爪を立てたりすると、かえって負担になることがあります。洗髪の頻度は汗や皮脂、乾燥の程度に合わせ、指の腹でやさしく洗い、すすぎ残しを減らしましょう。
カラーや整髪料でかゆみが出る場合は、使用を見直して皮膚科へ。強く引っ張る髪型や、同じ場所に負担がかかる結び方にも気を配ります。マッサージだけで発毛できるとはいえません。頭皮を傷つけず、使っている外用薬の注意点も守ることが、無理なく続けるケアの基本です。
四季の変化に合わせた、頭皮と暮らしの整え方
21|春|生活リズムの変化を、少しずつならす
春は、異動や新生活で起床・食事の時間が変わりやすい季節です。あれもこれも整えようとする前に、朝起きる時刻と食事のタイミングを一つずつ決めてみましょう。
花粉や整髪料などで頭皮にかゆみがあるときは、掻き続けるより原因の確認を。日差しが強くなる日は、帽子などで無理なく保護します。春だから特定の漢方薬が必須になるわけではありません。地球人倶楽部では、暦を暮らしの目安にしながら、忙しさや気候に合わせた休息・食事・身体の動かし方を学んでいきます。
22|梅雨|蒸れやかゆみと、食欲の変化に気づく
雨の日が続くと、帽子や髪が湿ったままになったり、頭皮の蒸れが気になったりすることがあります。濡れた帽子は乾かし、洗髪後は熱を近づけすぎないように髪と頭皮を乾かして、心地よく過ごしましょう。
湿気の多い時期に食欲や体調が落ちる方は、冷たいものだけに偏っていないか、食事を抜いていないかも確認します。漢方でいう「湿」の考え方は相談の手がかりですが、湿気だけを薄毛の原因と決めることはできません。かゆみやフケが続くときは、頭皮の病気も含めて皮膚科にも相談しましょう。
23|夏|頭皮の日差し対策と、熱中症予防を一緒に
夏の外出では、通気性のよい帽子や日傘、日陰を活用しましょう。帽子をかぶること自体が薄毛につながると心配して、強い日差しや暑さを我慢する必要はありません。蒸れたら安全な涼しい場所で休み、汗や汚れに合わせて清潔を保ちます。
水分はこまめに補い、暑い時間帯の無理な運動を避けます。大量に汗をかく場合の塩分補給や、持病による水分・塩分制限は個別の指示に従ってください。夏の養生は、発毛のための特別な儀式ではなく、食事と休息を保ちながら暑さから身体を守る工夫です。
参考:環境省:熱中症予防
24|秋|抜け毛を「季節のせい」だけにしない
秋に抜け毛が気になるときは、夏からの食事や睡眠、体調の変化も振り返ってみましょう。毛の抜け方には季節差がありますが、「秋だから大丈夫」とすべて片づけることはできません。
分け目が広がっている、薄い範囲が増えた、かゆみや赤みを伴う場合は、皮膚科で確認を。乾燥が気になる頭皮には、洗いすぎや熱いお湯などの刺激を見直します。温かい汁物や落ち着ける夜の時間も、食事・休息を整える選択肢です。秋の養生を、翌日から髪が増える方法としてではなく、季節の変化に対応する習慣として取り入れましょう。
一人で抱えず、自分に合う方法を続ける
26|変化の記録は、毎日より同じ条件で月ごとに
鏡を見るたびに写真を撮ると、小さな光の違いまで悪化に見えて、不安が増えることがあります。写真を残すなら、同じ場所、照明、分け目、角度で、ときどき比較できる形にしてみましょう。月ごとの記録は、そのための一案です。
開始した商品の名前、体調、頭皮のかゆみ、睡眠の変化も簡単にメモします。髪の見た目と、眠りや胃腸の調子は、別々の項目として確認することが大切です。見直す時期は薬や状態によって異なります。悪化や副作用の疑いがあれば、予定の相談日を待たずに連絡してください。
27|よくある質問|漢方だけで生える?サプリは必要?
「漢方だけで髪が生えますか?」。原因によって対応は違い、漢方による発毛を一律に約束することはできません。まず脱毛の種類を確かめ、必要な治療を検討します。
「サプリメントは飲んだ方がよいですか?」。誰にでも必要なものではありません。不足の可能性、食事、服薬状況を確認して考えます。
「病院の薬と一緒に相談できますか?」。できます。薬とサプリメントの一覧をお持ちください。組み合わせの可否は個別に確認します。「何を選ぶか分からない」という段階から、あおい薬局の漢方・養生相談をご利用いただけます。
28|あおい薬局の相談は、好み・予算・続けやすさも大切に
あおい薬局では、薄毛の経過と体調、受診歴を伺い、必要な診療につなぎながら、漢方・OTC・サプリメント・養生の役割を整理します。協励会の選定品・商品、イスクラ・コタローなどの漢方薬を活用する際も、方剤の構成生薬や承認された効能・効果と注意点などを確認します。
「自然由来のものに関心がある」「粉が苦手」「外用中心で考えたい」「月の予算を決めたい」。そんな希望も遠慮なくお話しください。好みは大切にしつつ、適応と安全性を優先して選びます。相談は予約制です。まずは漢方・養生相談の案内をご覧ください。
29|地球人倶楽部で、季節の養生を暮らしの習慣に
知識として分かっていても、一人ではなかなか続かない。そんな方には、季節の食事、休息、身体の動かし方、心の持ち方を学ぶ「地球人倶楽部」という入口があります。
漢方・養生・予防医学の知恵と、私自身が演奏や自然のなかで育ててきた身体感覚を、日々の暮らしに落とし込んでお伝えするオンラインの場です。薄毛の診断や発毛治療をする講座ではありません。髪が気になったことをきっかけに、生活全体を整える学びを続けたい方へ。開催日や参加方法、料金の最新情報は、地球人倶楽部の案内ページでご確認ください。
参考:地球人倶楽部のご案内
30|練馬区貫井から、あなたに合う最初の一歩を
あおい薬局は、東京都練馬区貫井4丁目30-25 寿光ビルにあります。西武池袋線・富士見台駅から徒歩約13分。漢方相談は予約制で、オンラインでの相談についてもお問い合わせいただけます。
相談には、いつから・どこが気になるかのメモ、お薬手帳、使用中の漢方薬・OTC・サプリメントの商品名をご用意ください。急な脱毛や頭皮の炎症は、まず皮膚科へ。ご自身に合う商品や養生を考えたい方は漢方・養生相談へ、季節の過ごし方を継続して学びたい方は地球人倶楽部へ。髪の悩みを入口に、今日の身体を大切にする一歩をご一緒しましょう。
参考:あおい薬局:漢方・養生相談/地球人倶楽部のご案内/あおい薬局:アクセス
相談予約・お問い合わせはこちら / 03-5987-3334
執筆:寺本仁(地球人てらじん)/薬剤師・あおい薬局。参考情報確認日:2026年10月30日。この記事は一般的な情報であり、個別の診断・治療を代替しません。挿絵はイメージです。











