亜麻仁油は、必須脂肪酸であるオメガ3を含む油脂で
最近は近所のスーパーでも普通にみかけるようになりました。
オメガ3は、人の体内では合成できないから必須脂肪酸なのだけれど
今話題になっているのは、このオメガ3である脂肪酸、αリノレン酸が
体内でDHAやEPAへとさらに転換されることを期待してという背景があります。
(DHA:ドコサヘキサエン酸 EPA:エイコサペンタエン酸
いずれもオメガ3の脂肪酸です。
青魚に含まれることで有名ですね。)
でも、でも。
実は日本人は、αリノレン酸からDHA、EPAへと代謝できない体質なんだそうな。
海外の、白色系の肌質の人たちは代謝できるらしいのですが…。
αリノレン酸は広葉植物の葉緑体という
光合成の光化学反応が起こる場所の膜組織からも得られるそうです。
牛が草を食む、その牛たちの体内では
αリノレン酸→EPA、DHAの転換が行われているそうです。
グラスフェッドビーフ、牧草牛をいただくことの意味はここにあります。
乳製品も然り。
また、日常的にオメガ6
(グレープシード、コーン、大豆、ゴマ、綿実などなど、つまり一般的なサラダオイル)
の摂取量が多い食事では、
宣伝広告通りのEPA、DHAへの転換は期待できないようです。
「成人はα-リノレン酸(18:3n-3)をエイコサペンタエン酸(20:5n-3)とドコサヘキサエン酸(22:6n-3)に変換することができるか?」
Can adults adequately convert alpha-linolenic acid (18:3n-3) to eicosapentaenoic acid (20:5n-3) and docosahexaenoic acid (22:6n-3)?
Int J Vitam Nutr Res. 1998;68(3):159-73.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9637947
オメガ6が豊富な食事では、変換率は40〜60%低下する、と。
オメガ3とオメガ6の摂取比率は「1:4」であることが望ましい
とされています。
一般的にはオメガ6の摂取量が多いため、それにあわせて
オメガ3の摂取が推奨されている、という背景もあるようです。
そうなのかな。
比率の方が大切で、摂取量が多くなってもだいじょうぶ…?
というところで調べたのが、上記の発表となったのかもしれません。
結果、オメガ6が多いとαリノレン酸はEPA、DHAにはなりにくいよ
ということですかね。
「ヒトにおけるα-リノレン酸の長鎖n-3脂肪酸への変換効率」
Efficiency of conversion of alpha-linolenic acid to long chain n-3 fatty acids in man.
Curr Opin Clin Nutr Metab Care. 2002 Mar;5(2):127-32.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11844977
こちらの発表でも、
全身変換は、18:3n-3から22:6n-3はヒトでは5%以下であり、
食事中のn-6脂肪酸および長鎖多価不飽和脂肪酸の濃度に依存する
とあります。
(論文については、桝田浩二さんのブログを参考にさせていただきました)
http://blogon.kojimasuda.com/omega3_conversion_rate/
なにより、気をつけなければいけないのは
αリノレン酸は、劇的に酸化がはやいのです。
からだにいいからといって亜麻仁油を摂ったとしても
酸化していては、むしろ害となります。
開封したら1ヶ月以内、
できれば10日間ぐらいで使い切りたいものです。
実は私、寝る前に亜麻仁油を大さじ1、摂っています。
私が亜麻仁油を摂っているのは、皮膚再生のためです。
転換されるであろうEPA、DHAの摂取が目的ではなく。
抗がん剤の副作用で、手指の皮が剥けるというものがあります。
私も、まずは指先が硬化して、そこからボロボロと剥けました。
けれども、亜麻仁油を夜寝る前に大さじ1ずつ摂っていると
その治りがとてもはやかったのです。
治療中は毎夜飲み続けていましたが
剥け方が特にひどかったのは最初の治療後だけでした。
![](http://yojo.link/wp/wp-content/uploads/2018/02/IMG_5334-225x300.jpg)
爪は今も抗がん剤の副作用で
ボロボロになっているので
亜麻仁油を飲み続けています。
(最終治療が12月のはじめでした)
こんなふうに、
数ヶ月前の治療の影響が
はっきりとわかる爪になっています。
ちょうど、波線のあるあたりが
抗がん剤を受けたなごりですね。
αリノレン酸には、皮膚再生をうながすはたらきがあるそうです。
細胞膜の構成成分となるからだそうです。
アレルギー症状の緩和などの効用もあるようです。
なので花粉症やアトピーにも効果が期待できるかも。
(エビデンスにできるほどの研究はないようですが…)
ただし、とにかく品質のよいものを
(亜麻仁油に限らず、どの油にも言えることですが
品質の落ちたものやまがいものが出回っています)
開封したら冷蔵庫に入れて、
できるだけはやく使い切ってしまうこと。
加熱は厳禁です。
また、過剰に摂りすぎないこと。
1日の摂取量は15gまでにしたほうがよさそうです。
とくに大きなトラブルのない方は、小さじ1程度が
1日の摂取量のようです。
必要であるかどうか、またどのくらいの量か
というのは人によって異なります。
なにごとも自分のからだで試してみるということが大事だと感じています。
![](http://yojo.link/wp/wp-content/uploads/2018/02/IMG_5427-225x300.jpg)
これは京都で見つけた亜麻仁油。
搾油日が記載されています。
110gなので、1日15g摂ったら1週間ほどでなくなる計算です。
大事なことなので、おさらいです。
・αリノレン酸は、日本人の体内ではEPA、DHAに代謝されません。
・EPA、DHAを摂るためには新鮮な青魚、イワシやサバなどを食べましょう。
・αリノレン酸は酸化が劇的にはやいです。
・えごま油、亜麻仁油、買うならばいずれも遮光瓶に入った、低温圧搾のものを。
・遮光瓶でなくとも箱に入っているものならば、箱ごと保存すること。
・開封後は冷蔵保管。1ヶ月以内、とにかくできるだけはやく使い切ること。
αリノレン酸は、アトピー、喘息、生理不順、生理痛、鼻炎、
神経疾患、リウマチ性関節炎、抗うつ神経症状などなどの改善に
効果が期待できるとされています。
現在、なんらかの炎症で困っている人は
・オメガ6である油の摂取を控えること。
(グレープシード、コーン、大豆、ゴマ、綿実などなど
つまり一般的なサラダオイル。
通常の料理にはたいてい使われています。
加工食品のパッケージの原材料表示欄に「植物油脂」「植物油」
と記載されているものの多くがこのオメガ6のオイルです。
オメガ6の作用については、
今日の「オメガ3、亜麻仁油の話」とはまた違う話題となり
わかりにくくなるので、今回書くのはやめておきます🙏)
・糖質の摂取も控えること。
(何度も書きますが、糖質を完全に断たねばならぬということではなく
とりすぎなので減らしましょうという話です)
これは亜麻仁油を摂取することより、大切なことだと思います。
ああだこうだとたくさん書きましたが、結局のところ
なにかを摂ることよりも「まずはやめてみる」
そのほうが、現代では大切なのかもしれませんね。
(小売業にあるまじき発言ですが・笑)
(成瀬知詠子)
ああ、書いてあることよくわかんないって方は
3月17日、ぜひぜひこちらへ。
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