漢方薬局で不安感改善を目指す東京都練馬区西東京市の安心カウンセリングガイド
2026/07/13
「不安」と聞くと、多くの方は心の問題だと考えるかもしれません。しかし東洋医学では、不安は心だけで起こるものではなく、「気・血・水」の巡りや胃腸の働き、睡眠、呼吸、季節の影響など、身体全体のバランスが深く関わっていると考えます。あおい薬局では、一人ひとりの体質や生活背景を丁寧に伺い、その場しのぎではなく、根本から身体を整える漢方相談を大切にしています。本記事では、漢方薬剤師であり、ディジュリドゥ・法螺貝奏者、そしてマンサンダルインストラクターでもある「地球人てらじん」こと寺本仁が、東洋医学と予防医学の視点から、不安感との向き合い方や日々の養生について30章にわたってお伝えします。漢方薬は決してゴールではありません。呼吸や食事、睡眠、自然とのつながりを見直し、自分自身が本来持っている回復力を育てていくことこそが、本当の健康への第一歩です。この連載が、薬に頼り過ぎない身体づくりと、心穏やかに暮らせる毎日へのきっかけとなれば幸いです。
目次
不安の正体を東洋医学から読み解く
第1章 不安は「心の病気」だけではありません
「理由もなく不安になる。」
「胸がザワザワする。」
「夜になると色々なことを考えて眠れない。」
あおい薬局の漢方相談には、このようなお悩みを抱えた方が数多く来られます。
病院で検査を受けても「異常はありません」と言われる。それでも本人にとっては毎日がとてもつらい。そんな経験をされている方も少なくありません。
現代医学では、不安は脳内の神経伝達物質や自律神経の乱れとして説明されることが多くあります。もちろん、それも大切な視点です。
しかし、漢方ではもう少し広い視野から身体全体を観察します。
「胃腸は元気ですか?」
「よく眠れていますか?」
「冷えはありませんか?」
「季節の変わり目に体調を崩しませんか?」
「呼吸は浅くなっていませんか?」
一見、不安とは関係のないような質問ばかりですが、東洋医学ではこれらが深く結び付いていると考えます。
私は漢方薬剤師として多くの方と向き合ってきましたが、「心だけが原因だった」という方はほとんどいません。
心は身体の一部です。
身体が疲れれば心も疲れます。
だからこそ、不安を「心だけの問題」と考えるのではなく、「身体からのサイン」として受け止めることが、改善への第一歩になるのです。
第2章 漢方が考える「不安」の正体
東洋医学には「心身一如(しんしんいちにょ)」という考え方があります。
これは、心と身体は切り離せないという意味です。
つまり、不安という感情も身体の状態を映し出している一つの現象なのです。
例えば、
・疲れるとイライラする。
・寝不足になると落ち込みやすい。
・空腹になると怒りっぽくなる。
あなたも一度は経験したことがあるでしょう。
つまり感情は、身体の影響を大きく受けています。
漢方では、不安の背景にある原因を
「気」の不足
「血」の不足
「水」の停滞
五臓六腑の働きの低下
など、多方面から読み解いていきます。
そのため、「不安だからこの漢方」という単純な考え方はしません。
同じように不安を訴える方でも、
ある人は胃腸が弱く、
ある人は貧血傾向があり、
ある人はストレスで呼吸が浅くなっている。
原因が違えば、必要な漢方もまったく違ってきます。
だからこそ、あおい薬局の漢方相談では「症状」よりも「その人自身」を大切にしています。
第3章 あなたの不安は体質から始まっているかもしれません
「昔から心配性なんです。」
そう話される方は少なくありません。
しかし、その"性格"だと思っていたものが、実は体質だったというケースを私は何度も経験してきました。
例えば、
胃腸が弱い人は栄養を十分に吸収できず、エネルギー不足になりやすくなります。
血液が不足すれば脳へ十分な栄養が届きません。
冷えが強い人は全身の巡りが悪くなります。
慢性的な睡眠不足は回復力を低下させます。
これらが積み重なることで、不安を感じやすい身体が出来上がってしまうのです。
つまり、不安は「心の弱さ」ではありません。
身体が「少し休ませてほしい」と教えてくれているサインなのです。
私は相談者さんによくお話しします。
「性格を変える必要はありません。
身体を整えれば、心は自然と穏やかになります。」
これは決して精神論ではありません。
身体という土台が変われば、物事の受け止め方まで変わってくる。
これが東洋医学の面白さであり、長い歴史の中で受け継がれてきた知恵でもあります。
第4章 気・血・水の乱れと不安感
漢方では、人の身体は「気・血・水(き・けつ・すい)」という三つの要素が調和することで健康を保つと考えます。
「気」は生命エネルギー。
「血」は栄養を運ぶもの。
「水」は体液全体です。
このどれかが不足したり、滞ったりすると様々な不調が現れます。
例えば、
気が不足すると
「やる気が出ない」
「疲れやすい」
「息が浅い」
血が不足すると
「眠れない」
「動悸がする」
「集中できない」
水が滞ると
「頭が重い」
「むくみ」
「めまい」
「頭がぼんやりする」
という状態になりやすくなります。
実は、不安感の背景にはこれらが複雑に絡み合っていることが少なくありません。
だからこそ、漢方薬は症状を抑えることだけを目的にはしません。
気・血・水の巡りを整え、身体が本来持っている回復力を引き出すことを目指します。
薬を身体に合わせるのではなく、身体が健康へ向かう力を育てる。
それが漢方の大きな特徴なのです。
第5章 自律神経だけでは説明できない東洋医学の視点
近年、「自律神経を整えましょう」という言葉を耳にする機会が増えました。
もちろん、自律神経は健康にとって非常に重要です。
しかし、私は漢方相談の現場で、
「なぜ自律神経が乱れたのか」
という原因を一緒に探すことを大切にしています。
睡眠不足でしょうか。
栄養不足でしょうか。
過度なストレスでしょうか。
胃腸の弱りでしょうか。
あるいは季節の変化でしょうか。
東洋医学では、人も自然の一部と考えます。
春には春の養生。
夏には夏の養生。
秋には秋の養生。
冬には冬の養生があります。
自然のリズムから離れた生活が続けば、身体も心も少しずつバランスを崩していきます。
私は漢方薬剤師としてだけではなく、ディジュリドゥや法螺貝を響かせ、裸足やマンサンダルで大地を歩く中で、「人は自然とつながることで本来の力を取り戻す」ということを何度も実感してきました。
深く呼吸をすること。
太陽の光を浴びること。
土の上を歩くこと。
旬のものをいただくこと。
こうした一見シンプルな習慣も、東洋医学では立派な「養生」です。
あおい薬局の漢方相談では、薬をお渡しすることだけが目的ではありません。
あなたが本来持っている「治る力」「整う力」を引き出し、自分自身の身体と仲良く付き合っていけるよう伴走することを何より大切にしています。
だからこそ、私たちは漢方薬だけでは終わらない養生を、一緒に考え続けたいと思っています。
第2回 身体を整えることが心を整える
第6章 呼吸が浅くなると心も揺らぐ
「最近、深い呼吸をしたのはいつですか?」
あおい薬局で漢方相談をしていると、この質問に少し考え込まれる方が少なくありません。
不安が強いとき、人は無意識のうちに呼吸が浅くなります。そして、呼吸が浅くなると、さらに不安を感じやすくなる。この悪循環に気づかないまま、毎日を過ごしている方も多いのです。
東洋医学では、「気」は呼吸と深く関係しています。肺は新鮮な気を取り込み、全身へ巡らせる役割を担っています。そのため、呼吸が浅くなると「気」の巡りも滞り、胸のつかえや息苦しさ、焦り、不安感として現れることがあります。
私がディジュリドゥや法螺貝を響かせていて実感するのは、「心地よい響きは適正な呼吸から生まれる」ということです。
無理に音を出そうとすると、身体はすぐに力みます。反対に、肩の力を抜き、適正な速度と勢いで息を送り出すと、自然と豊かな響きが生まれます。
これは私たちの日常生活も同じです。
呼吸が変われば、身体の緊張がゆるみます。
身体がゆるめば、心も少しずつ穏やかになっていきます。
だから私は、不安を感じている方へ漢方薬をお渡しするだけではなく、「今日は深く呼吸ができていますか?」という問いかけも大切にしています。
呼吸は、いつでも自分で整えられる養生です。
忙しい毎日の中でも、ほんの数分、ゆっくりと息を吐く時間を持つこと。それだけでも、身体は「安心していいんだよ」というメッセージを受け取ってくれるのです。
第7章 腸を整えることが心を整える第一歩
東洋医学には、「脾(ひ)は後天の本(こうてんのほん)」という言葉があります。
「脾」とは、現代医学でいう胃腸の働きに近い役割を持つ臓です。
食べたものを消化し、身体に必要なエネルギーや血液をつくる、大切な働きをしています。
私は漢方相談の際、不安感を訴える方にも必ず食欲や便通、胃もたれの有無をお聞きします。
「不安なのに、お腹の話ですか?」
と驚かれることもありますが、実は胃腸の状態は心と密接につながっています。
緊張するとお腹が痛くなる。
ストレスで食欲がなくなる。
試験前になると下痢をする。
こうした経験は、多くの方に思い当たることでしょう。
近年では「腸は第二の脳」とも言われていますが、東洋医学では何千年も前から、胃腸を整えることが全身の健康につながると考えてきました。
胃腸が元気になると、必要な栄養がしっかり吸収され、気や血が充実していきます。
その結果、身体だけでなく心にも余裕が生まれてきます。
だからこそ私は、「まず胃腸を元気にしましょう」とお話しすることがあります。
心を変えようと頑張る前に、身体が安心して働ける環境を整える。
それが、不安改善への近道になることも少なくありません。
第8章 睡眠は最高の漢方薬
もし一つだけ健康法を選ぶとしたら、私は迷わず「質の良い睡眠」と答えます。
漢方薬剤師として多くの方を見てきましたが、睡眠が整ってくると、不安感やイライラ、疲労感が和らぐ方が本当に多いからです。
東洋医学では、眠っている間に「気」や「血」が養われ、身体が修復されると考えます。
つまり、睡眠は身体が自分自身を治している時間なのです。
反対に、夜更かしが続くと回復が追いつかず、心身のバランスは少しずつ崩れていきます。
「眠れないから疲れる」のではありません。
「回復できないから、不安になりやすい」という見方もできるのです。
睡眠薬が必要な場合ももちろんあります。しかし、その前に見直せることもあります。
夕食の時間は遅くなっていませんか。
寝る直前までスマートフォンを見ていませんか。
朝、太陽の光を浴びていますか。
こうした日々の習慣が、睡眠の質を大きく左右します。
漢方薬は眠りを助けることがありますが、本当に目指したいのは、「薬がなくても眠れる身体」です。
それこそが、本当の意味で身体が整った状態だと私は考えています。
第9章 食べ物は毎日飲む漢方薬
「てらじん先生、おすすめの漢方薬ってありますか?」
そう尋ねられたとき、私は時々こうお答えします。
「まず、今日の朝ごはんは何を食べましたか?」
少し意外に思われるかもしれません。
しかし、私たちの身体は、毎日口にする食べ物からつくられています。
東洋医学では「薬食同源(やくしょくどうげん)」という考え方があります。
薬と食べ物は、本来同じように身体を養うものという意味です。
つまり、毎日の食事そのものが養生なのです。
旬の野菜をいただく。
よく噛んで食べる。
冷たいものを摂り過ぎない。
腹八分目を心がける。
どれも特別なことではありません。
けれど、この「当たり前」を続けることが、身体を少しずつ丈夫にしていきます。
漢方薬は身体を整える大きな助けになります。
しかし、毎日の食事にはかないません。
一年で千回近くある食事は、それだけ身体への影響も大きいのです。
だから私は、漢方薬だけではなく、「今日からできる食養生」を大切にしています。
毎日の食卓は、あなた自身がつくる薬箱でもあるのです。
第10章 あおい薬局の漢方相談が大切にしていること
あおい薬局の漢方相談で、私が一番大切にしていること。
それは、「病気を見るのではなく、人を見る」ということです。
同じ「不安」という症状でも、その背景は一人ひとり違います。
仕事で頑張り過ぎている方。
家族の介護で疲れ切っている方。
子育てに追われている方。
人生の転機を迎えている方。
同じ漢方薬がすべての人に合うわけではありません。
だからこそ、初回のご相談では時間をかけてお話を伺います。
体調だけでなく、生活習慣、食事、睡眠、仕事、趣味、これまで歩んできた人生まで、できる限り教えていただきます。
その中から、「今、この方の心身魂は何を求めているのか」を一緒に探していくのです。
私は漢方薬剤師であると同時に、ディジュリドゥや法螺貝を響かせ、裸足やマンサンダルで自然の中を歩く時間を大切にしています。
そうした経験を通して感じるのは、人は本来、自然の一部であり、身体には自ら整う力が備わっているということです。
漢方薬は、その力を引き出すための大切な道具です。
しかし、主役は薬ではありません。
主役は、あなた自身です。
あおい薬局では、漢方薬をお渡しして終わりではなく、呼吸、食事、睡眠、運動、季節の養生など、「薬に頼り過ぎない身体づくり」を一緒に考えていきます。
さらに、オンライン講座「地球人倶楽部」では、漢方や東洋医学だけでなく、予防医学、食養生、自然と調和した暮らし方についても、日々の生活に取り入れられる形でお伝えしています。
身体を整えることは、人生を整えること。
その一歩を、あおい薬局と一緒に踏み出してみませんか。
第3回 自然のリズムに戻る養生
第11章 漢方薬は一人ひとり違う理由
漢方相談を受けていると、
「不安にはこの漢方が効くんですよね?」
「友人が飲んで良くなった漢方を私も試したいです」
というご質問をいただくことがあります。
しかし、漢方の世界では「不安にはこの薬」と単純に決めることはできません。
なぜなら、漢方が見ているのは病名や症状だけではなく、その人の体質や生活背景だからです。
例えば、同じように不安感を訴える方でも、
ある方は胃腸の弱りからエネルギー不足になっているかもしれません。
ある方は長年の睡眠不足によって血が不足しているかもしれません。
またある方はストレスによって気の巡りが滞り、胸が苦しくなっているかもしれません。
見えている症状は同じでも、身体の中で起きていることはまったく違うのです。
これは畑に例えると分かりやすいかもしれません。
元気がない植物を見たとき、水が足りないのか、日照不足なのか、土の栄養が足りないのかによって対処法は変わります。
人間も同じです。
東洋医学では、その人だけが持つ身体の特徴を「証(しょう)」と呼びます。
漢方薬は、この証に合わせて選ばれるものです。
だからこそ、あおい薬局ではじっくりとお話を伺い、その方に合った養生や漢方薬をご提案しています。
大切なのは症状を追いかけることではなく、その人自身を理解することなのです。
第12章 不安を抑えるのではなく整える
現代社会では、「不安をなくしたい」「ストレスを感じないようになりたい」と考える方が少なくありません。
しかし私は、不安そのものを悪者にする必要はないと思っています。
不安とは、本来私たちの命を守るために備わった大切な感覚だからです。
もし不安を感じる能力がなければ、人は危険を避けることができません。
大切なのは、不安をゼロにすることではなく、不安に振り回されない身体と心を育てることです。
東洋医学では、身体のバランスが崩れることで感情も過剰になりやすいと考えます。
疲れているときに些細なことで落ち込んだり、寝不足のときにイライラしたりするのもその一例です。
つまり、不安そのものが問題なのではなく、不安を受け止める身体の余裕が失われている状態が問題なのです。
私は相談者さんにこうお伝えすることがあります。
「不安を消そうとしなくて大丈夫ですよ。」
身体が整ってくると、不安は自然に小さくなります。
同じ出来事が起きても、以前ほど気にならなくなることがあります。
それは心が強くなったというより、身体に余裕が生まれた結果なのです。
漢方の目的は感情を押さえ込むことではありません。
本来の自分らしい心の状態へ戻るお手伝いをすることなのです。
第13章 自然のリズムで暮らすという養生
私たちの祖先は、太陽とともに起き、暗くなれば休む生活をしていました。
春になれば種をまき、秋になれば収穫をし、季節の変化を身体で感じながら生きていました。
しかし現代はどうでしょう。
夜遅くまで明るい照明。
スマートフォンから流れ続ける情報。
季節を問わず手に入る食べ物。
便利になった反面、私たちは自然のリズムから離れてしまったのかもしれません。
東洋医学では、人間も自然の一部であると考えます。
だからこそ、自然の流れに逆らい続けると、身体にも無理が生じます。
夜更かしを続ければ回復力が落ちる。
季節に合わない食事を続ければ胃腸に負担がかかる。
運動不足になれば気血の巡りが滞る。
こうした小さな積み重ねが、不安感や疲労感として現れることがあります。
養生とは特別な健康法ではありません。
朝日を浴びること。
旬のものをいただくこと。
歩くこと。
しっかり眠ること。
自然のリズムに寄り添う暮らしを少しずつ取り戻していくことです。
私はこれこそが、薬に頼り過ぎない身体づくりの土台になると考えています。
第14章 季節と心の関係
東洋医学では、季節と身体、そして感情は深く結び付いていると考えます。
春には春の不調。
夏には夏の不調。
秋には秋の不調。
冬には冬の不調があります。
例えば春。
新年度や環境の変化が重なる季節です。
気温差も大きく、自律神経が乱れやすくなります。
この時期はイライラや不安感、頭痛を訴える方が増えます。
夏は暑さによる消耗。
秋は乾燥による肺の弱り。
冬は寒さによる血流低下や気力の低下。
それぞれの季節に応じた身体の変化が起こります。
しかし、多くの人は「自分が弱いから不調になる」と考えてしまいます。
そうではありません。
自然の変化に身体が反応しているだけなのです。
だからこそ、季節に応じた養生が大切になります。
春には伸びやかに身体を動かす。
夏には適度に汗をかく。
秋には肺を潤す。
冬には身体を温める。
季節に合わせて暮らし方を少し調整するだけで、心身の負担は大きく減らせます。
自然と調和して生きることは、東洋医学の根本にある知恵なのです。
第15章 ディジュリドゥが教えてくれた深い呼吸
私がディジュリドゥを響かせ始めてから、もう長い年月が経ちました。
オーストラリア先住民アボリジニの伝統楽器であるディジュリドゥは、見た目はシンプルですが、演奏には深い呼吸が欠かせません。
特に循環呼吸という特殊な技術を使うため、生活習慣や身体の使い方や呼吸の質がそのまま音に表れます。
面白いことに、心が乱れているときは音も乱れます。
焦っているときは息が浅くなります。
不安が強いときは身体が硬くなります。
逆に心が落ち着いているときは、音も自然に響きます。
私はディジュリドゥを通して、「呼吸は心の鏡である」ということを学びました。
相談者さんの中には、
「呼吸法なんて意味があるんですか?」
と聞かれる方もいます。
しかし実際には、呼吸は自律神経に直接働きかけることができる数少ない方法の一つです。
ゆっくり息を吐く。
お腹や腰を意識する。
胸を開く。
たったそれだけでも身体は安心モードへ切り替わり始めます。
東洋医学では「気を整える」と言いますが、その第一歩は呼吸にあります。
私自身、ディジュリドゥや法螺貝を響かせながら何度も実感してきました。
呼吸が変わると身体が変わる。
身体が変わると心が変わる。
そして心が変わると人生の景色まで変わっていく。
あおい薬局でお伝えしている養生も、決して難しいものではありません。
まずは今日、深く息を吐いてみること。
それが自然のリズムを取り戻す最初の一歩になるかもしれません。
第4回 身体感覚を取り戻す暮らし
第16章 法螺貝が教えてくれる「腹から生きる」ということ
私が法螺貝を立て始めて感じたことがあります。
それは、「人は本来、お腹から生きる生き物だった」ということです。
法螺貝は、肺活量だけでは吹けません。
肩や首に力が入っていても鳴りません。
腕の力でも鳴りません。
必要なのは、丹田(たんでん)と呼ばれる、おへその少し下にある身体の中心から、適正に息を送り出すことです。
腹が据わる。
昔から使われてきたこの言葉には、深い意味があります。
不安が強い人ほど、呼吸は胸で止まり、肩が上がり、身体の重心も上へ上へと浮いてしまいます。
すると、ちょっとした出来事にも心が揺れやすくなります。
東洋医学では、この状態を「気が上にのぼっている」と考えることがあります。
反対に、お腹を意識し、丹田に重心を置くようになると、不思議と心も落ち着いてきます。
これは精神論ではありません。
身体の使い方が変わることで、自律神経の働きや呼吸の質も変わってくるのです。
私は法螺貝を通して、「腹から生きる」という感覚を学びました。
漢方相談でも、「頭で考え過ぎる人」ほど、まずは心身で観じることをおすすめしています。
頭だけで生きるのではなく、心身全体で生きる。
それが、不安に振り回されにくい自分を育てる第一歩なのです。
第17章 裸足とマンサンダルで大地とつながる意味
現代人は、一日のほとんどを平らな床の上で過ごしています。
クッション性の高い靴を履き、エスカレーターやエレベーターを使い、舗装された道を歩く。
便利になった一方で、私たちの足は本来の働きを忘れ始めています。
私はマンサンダルインストラクターとして、多くの方と一緒に自然の中を歩いてきました。
最初は足裏が痛いと言っていた方も、少しずつ足の感覚が目覚め、「歩くことが楽しい」と笑顔になる姿を何度も見てきました。
足裏には全身へつながる多くのメカノレセプターという感覚受容器があります。
土の柔らかさ。
小石の存在。
木の根の起伏。
地面の温度や湿度。
これらを感じながら歩くことで、眠っていた身体感覚が呼び覚まされていきます。
東洋医学では、人は天地の気を受けて生きる存在です。
地面とのつながりを感じることは、自分自身の土台を感じることでもあります。
不安が強いときほど、意識は未来へ飛びがちです。
そんな時こそ、一歩一歩、大地を踏みしめる。
足裏から伝わる感覚は、「今ここ」に意識を戻してくれます。
歩くこともまた、立派な養生なのです。
第18章 ストレスに強い身体は毎日の積み重ねで育つ
「ストレスに強くなりたい。」
これは多くの方が願うことです。
しかし、ストレスに強い人とは、決してストレスを感じない人ではありません。
身体が回復できる人なのです。
例えば、山登りを続けていると、最初はきつかった坂道も、少しずつ楽に登れるようになります。
筋肉だけではありません。
心肺機能も、バランス感覚も、回復力も育っているからです。
心も同じです。
睡眠を整える。
よく噛んで食べる。
深く呼吸する。
適度に身体を動かす。
朝日を浴びる。
季節を感じる。
こうした一つひとつは小さな習慣ですが、続けることで「ストレスから立ち直る力」が育っていきます。
漢方では、この回復力を高めることを大切にしています。
だから私は、「ストレスをなくしましょう」とは言いません。
人生からストレスを完全になくすことはできません。
それよりも、多少のストレスがあっても元気に笑って過ごせる心身を育てること。
それが、本当の健康ではないでしょうか。
第19章 漢方相談で見えてくる本当の原因
「不安を治してください。」
そうおっしゃって来局される方でも、じっくりお話を伺うと、まったく違う原因が見えてくることがあります。
慢性的な睡眠不足。
食事を抜く生活。
長年の便秘。
更年期によるホルモンバランスの変化。
人間関係のストレス。
仕事への責任感。
幼い頃からの生活習慣。
身体は、今だけを見ているわけではありません。
これまで歩んできた人生そのものが、現在の体質をつくっています。
だから私は、相談者さんの話を途中で遮らないように心掛けています。
お話を聞いているうちに、ご本人も気づいていなかった本当の原因が見えてくることがあるからです。
「先生、話しているうちに、自分でも気づきました。」
そんな言葉をいただくことも少なくありません。
漢方相談は、薬を選ぶ時間であると同時に、自分自身と向き合う時間でもあります。
自分の身体を知ること。
自分の暮らしを見つめ直すこと。
それが、本当の意味での体質改善につながっていくのです。
第20章 「治す」ではなく「育てる」という漢方の考え方
私は漢方相談で、「治療」という言葉より、「心身を育てる」という言葉をよく使います。
木を育てることを想像してみてください。
葉っぱだけを磨いても、元気には育ちません。
土を整え、水を与え、太陽の光を浴び、時間をかけて根を張る。
そうして初めて、大きく丈夫な木になります。
人の心身も同じです。
漢方薬だけを飲んでいれば健康になるわけではありません。
食事。
睡眠。
呼吸。
運動。
季節の養生。
笑うこと。
自然と触れ合うこと。
人とのつながり。
受け取ること。
そのすべてが身体という土壌を豊かにしてくれます。
漢方薬は、その成長を助ける大切な存在です。
しかし、主役は薬ではありません。
主役は、あなた自身の生命力です。
あおい薬局では、一時的に症状を抑えることだけを目的にはしていません。
10年後、20年後も、自分の足で歩き、自分で考え、自分らしく笑って過ごせる身体を育てること。
それが私たちの願いです。
だからこそ私は、漢方薬剤師としてだけでなく、一人の養生実践者として、これからも皆さんと一緒に「薬に頼り過ぎない身体づくり」を歩んでいきたいと思っています。
第5回 薬だけに頼らない人生へ
第21章 心が軽くなった人に共通すること
漢方薬剤師として数え切れないほどのご相談を受けてきましたが、「元気になった人」にはある共通点があります。
それは、「薬が効いた人」ではありません。
自分の心身と向き合うようになった人です。
最初は「この不安を何とかしてください」と来局された方が、数か月後には、
「最近、睡眠が浅くなると翌日に気分が落ちやすいことが分かりました。」
「雨の日は無理をしないようにしています。」
「以前よりもよく噛んで食べるようになりました。」
そんな言葉を自然に話されるようになります。
これは、とても大きな変化です。
不調を「敵」として戦うのではなく、「身体からのメッセージ」として受け取れるようになる。
そうすると、不安に振り回される時間が少しずつ減っていきます。
東洋医学には、「上医は未病を治す」という言葉があります。
優れた医師は、病気になってから治すのではなく、病気になる前に整える。
私は、この考え方こそがこれからの時代に必要だと思っています。
心が軽くなる人は、自分の心身を責めません。
心身と対話することを覚えた人なのです。
第22章 漢方は魔法ではありません
漢方相談をしていると、
「この漢方を飲めば治りますか?」
と聞かれることがあります。
お気持ちはよく分かります。
つらい症状があるときほど、一日でも早く楽になりたいものです。
しかし、私は正直にお伝えしています。
漢方は魔法ではありません。
漢方薬は、身体が本来持っている回復力を引き出すための大切なサポート役です。
けれど、毎日夜更かしを続け、食事を抜き、強いストレスを抱えたままでは、その力を十分に発揮することはできません。
植物を育てるときも同じです。
良い肥料だけを与えても、日光や水がなければ元気には育ちません。
身体もまた、毎日の暮らしという土壌があってこそ、漢方薬の力が生かされます。
だから私は、薬だけに期待するのではなく、「生活そのものを養生にしていきましょう」とお話ししています。
薬に頼ることは悪いことではありません。
でも、薬だけに頼る人生ではなく、自分自身の回復する力を育てる人生のほうが、きっと自由で豊かです。
第23章 焦らず身体を育てることの大切さ
私たちは、結果を急ぐ時代に生きています。
インターネットで検索すれば答えが出てきます。
欲しい物も翌日には届きます。
だからこそ、身体にも「すぐに治ってほしい」と期待してしまいます。
しかし、身体には身体の時間があります。
長年かけてできた体質は、一週間では変わりません。
十年積み重ねた生活習慣は、一か月では元には戻りません。
けれど、身体は決して裏切りません。
毎日少しずつ積み重ねたことを、ちゃんと覚えています。
昨日より五分早く寝る。
朝日を浴びる。
一口多く噛む。
深呼吸をする。
季節の野菜を食べる。
こうした小さな積み重ねは、一見すると何も変わっていないように思えるかもしれません。
それでも一年後には、大きな違いになっています。
私は山を歩くことが好きですが、一歩一歩は小さくても、歩き続ければ必ず頂上へ近づき、必ず下山できます。
養生も同じです。
焦らず、比べず、自分の歩幅で。
その積み重ねこそが、本当の健康を育ててくれるのです。
第24章 自分の身体の声を聴く習慣
身体は、毎日私たちに語りかけています。
「今日は少し疲れているよ。」
「胃腸を休ませてほしい。」
「もう少し眠りたい。」
「今日はゆっくり歩こう。」
けれど、多くの人はその声よりも、予定や仕事を優先してしまいます。
私自身も若い頃は、「頑張れること」が健康だと思っていました。
しかし、漢方や東洋医学を学び、多くの方の人生に寄り添う中で、「休むこと」も立派な養生であることを教えられました。
身体は正直です。
無理を続ければ、最初は肩こりや疲れとして現れます。
それでも気づかなければ、不眠や不安感、胃腸の不調、さらには大きな病気へとつながることもあります。
だからこそ、毎日ほんの少しでも、自分の身体と対話する時間を持っていただきたいのです。
今日の呼吸はどうだろう。
足は軽いだろうか。
お腹は空いているだろうか。
心は笑っているだろうか。
身体の声を聴くことは、自分自身を大切にすることでもあります。
その習慣が、未来の健康を育てていくのです。
第25章 予防医学という未来への投資
私は漢方薬剤師であると同時に、予防医学を学び続けています。
その理由は、とてもシンプルです。
病気になってから治療することももちろん大切ですが、それ以上に、「病気になりにくい身体を育てること」のほうが、人生を豊かにしてくれると考えているからです。
健康とは、単に病気がない状態ではありません。
好きな場所へ歩いて行けること。
家族と笑って食事ができること。
趣味を楽しめること。
朝、気持ちよく目覚められること。
こうした何気ない毎日の積み重ねこそ、本当の健康ではないでしょうか。
予防医学とは、未来の自分への贈り物です。
毎日の食事。
質の良い睡眠。
適度な運動。
深い呼吸。
季節に寄り添う暮らし。
自然と触れ合う時間。
人との温かなつながり。
そして、自分自身を大切にする心。
これらはどれも、高価な薬では買えません。
けれど、今日から少しずつ始めることはできます。
あおい薬局では、漢方薬をお渡しするだけではなく、こうした養生や予防医学の知恵を、皆さんと一緒に実践していきたいと考えています。
薬が必要な時期もあるでしょう。
しかし、その先には、薬に頼る量を少しずつ減らし、自分の力で健康を育てていく未来があります。
私は、その未来を皆さんと一緒につくっていきたいのです。
第6回 地球人倶楽部へ
第26章 地球人倶楽部で伝えていること
あおい薬局で漢方相談をしていると、「もっと早くこの話を知っていたら…」と言っていただくことがあります。
確かに漢方相談の時間は、とても大切です。
しかし、限られた時間の中では、東洋医学や予防医学の魅力をすべてお伝えすることはできません。
だから私は、オンライン講座「地球人倶楽部」を始めました。
この名前には、一つの想いがあります。
私たちは皆、この地球に生きる仲間です。
自然の一部として生きていることを思い出し、季節の移ろいを感じ、身体の声を聴きながら暮らしていく。
そんな「地球人」としての感覚を取り戻していただきたいのです。
地球人倶楽部では、
漢方の考え方だけではありません。
薬膳や食養生。
季節ごとの養生法。
呼吸法。
東洋医学と予防医学。
森林浴や裸足で歩くことの意味。
ディジュリドゥや法螺貝を通して学んだ身体の使い方。
現代医学では語られることの少ない「暮らしそのものを整える知恵」を、毎月わかりやすくお伝えしています。
健康とは、知識を増やすことではありません。
知ったことを毎日の暮らしの中で実践することです。
その一歩を、一緒に楽しみながら歩んでいく仲間が「地球人倶楽部」です。
第27章 毎日の養生が未来を変える
「何か特別なことをしなければ健康になれませんか?」
そう聞かれることがあります。
私はいつも同じようにお答えします。
「特別なことより、当たり前を大切にしましょう。」
朝、太陽の光を浴びる。
よく噛んで食べる。
季節の野菜をいただく。
深呼吸をする。
歩く。
笑う。
早めに眠る。
一つひとつは、とてもシンプルです。
けれど、この「当たり前」を続けることが、一番難しく、一番効果があります。
東洋医学では、身体は毎日少しずつ変化していると考えます。
今日食べたものが、明日の身体をつくる。
今日の睡眠が、明日の心を支える。
今日の笑顔が、未来の健康につながる。
つまり、未来の自分は、今日の自分が育てているのです。
病気になってから慌てるのではなく、病気になりにくい身体を毎日の暮らしの中で育てていく。
それが養生であり、予防医学の本質でもあります。
第28章 漢方相談は人生相談でもある
漢方相談では、不思議なことがあります。
最初は「不安感を治したい」と来られた方が、気づけば仕事や家族のこと、夢や生き方について話してくださるようになるのです。
私は、それをとても大切な時間だと思っています。
病気は身体だけで起こるものではありません。
人生そのものが身体に影響を与えています。
頑張り過ぎる性格。
人に気を遣い過ぎる習慣。
休むことへの罪悪感。
誰にも相談できない孤独。
こうした積み重ねが、身体に現れることがあります。
だから私は、相談者さんの人生に耳を傾けます。
薬を選ぶためだけではありません。
その方が、これから先も笑顔で生きていける方法を一緒に考えたいからです。
漢方相談は、人生相談でもあります。
「先生と話したら気持ちが軽くなりました。」
その一言をいただけることが、私にとって何よりの喜びです。
身体を整えることは、人生を整えること。
そのお手伝いができれば、漢方薬剤師としてこれ以上の幸せはありません。
第29章 薬に頼らない身体づくりという選択
誤解していただきたくないのですが、私は薬を否定しているわけではありません。
薬が必要な時は、もちろんあります。
西洋薬に助けられる場面もたくさんあります。
漢方薬にも、多くの方を支えてきた力があります。
大切なのは、「薬を使うこと」ではなく、「薬だけに頼り続けるマインド」にならないようにすることです。
もし身体が少しずつ元気になり、
眠れるようになり、
食事がおいしくなり、
歩くことが楽しくなり、
笑顔が増えてきたなら、
それは身体が本来の力を取り戻している証拠です。
薬に頼らない身体づくりとは、「薬をやめること」ではありません。
沢山の薬がなくても元気に過ごせる時間を、一日ずつ増やしていくことです。
そのために必要なのは、
養生を知ること。
身体を知ること。
自然を知ること。
そして、自分自身を信じること。
私は、そのお手伝いをするために、漢方相談を続けています。
第30章 漢方薬はゴールではありません ― 薬に頼り過ぎない人生を一緒に育てていきましょう
ここまで、この長い記事を読んでくださり、本当にありがとうございます。
私がお伝えしたかったことは、一つだけです。
漢方薬はゴールではありません。
もちろん、漢方薬は素晴らしいものです。
何千年にもわたり受け継がれてきた知恵が詰まっています。
私自身も、その力に何度も助けられ、多くの相談者さんの笑顔を見てきました。
しかし、本当に目指したい未来は、薬を飲み続けることではありません。
薬が必要な時には、上手に力を借りる。
そして少しずつ、
自分の身体を理解し、
自分の身体を信じ、
自分の身体を育てられるようになること。
それこそが、東洋医学が目指してきた「養生」の世界です。
私は漢方薬剤師として、ディジュリドゥを響かせたり、法螺貝を立てる者として、マンサンダルインストラクターとして、さまざまな経験を重ねる中で、一つの確信を持つようになりました。
人には、本来、自分自身を整える力があります。
その力を引き出すために、漢方があり、食養生があり、呼吸があり、自然があり、人とのつながりがあります。
あおい薬局では、一人ひとりのお話を丁寧に伺い、その方に合った漢方相談を行っています。
そして、オンライン講座「地球人倶楽部」では、漢方だけにとどまらず、東洋医学、予防医学、薬膳、呼吸法、自然との付き合い方など、毎日の暮らしの中で実践できる養生をお伝えしています。
健康は、誰かに与えてもらうものではありません。
毎日の暮らしの中で、自分自身が育てていくものです。
だから私は、これからも皆さんと一緒に歩んでいきたいと思っています。
薬を増やす人生ではなく、必要最低限の薬へ減らしていける人生へ。
病気を恐れる人生ではなく、自分の身体を信じられる人生へ。
そして、
漢方薬がなくても笑顔で暮らせる日を目指して。
薬に頼り過ぎない人生を、一緒に育てていきましょう。
私は、その伴走者であり続けたいと思っています。
