副鼻腔炎と上手につき合う30のヒント|耳鼻科・漢方・養生をつなぐ、あおい薬局の相談ガイド
2026/09/21
鼻づまり、粘り気のある鼻水、後鼻漏、においの変化が続くと、睡眠や仕事までつらくなることがあります。このコラムでは、副鼻腔炎の基本、耳鼻咽喉科に相談する目安、治療と併用する漢方・養生の考え方を、6部30章で整理しました。症状だけで診断や処方を決めず、必要な検査と治療につなぐことを大切にしています。執筆・監修:薬剤師/漢方薬・生薬認定薬剤師 寺本仁(地球人てらじん)、あおい薬局。情報更新:2026年9月。
目次
第1部|副鼻腔炎の症状と、受診の目安
1 鼻づまりが続くとき、まず知ってほしいこと
鼻づまりが長引いても、原因がすべて副鼻腔炎とは限りません。風邪、アレルギー性鼻炎、鼻の構造など、重なっていることもあります。いつから続くか、片側か両側か、生活のどの場面で困るかをメモしてみましょう。あおい薬局では、こうした経過を一緒に整理し、耳鼻咽喉科で確認すべき点もお伝えします。
2 副鼻腔とは?鼻の奥で起きていること
副鼻腔は鼻の周囲の骨の中にある空間です。鼻の粘膜に炎症が起こると、鼻水が流れにくくなり、鼻づまりや顔の重さなどが生じます。鼻の中を見ずに原因を決めつけることはできません。症状が続く場合は耳鼻咽喉科で診察を受け、必要に応じて内視鏡などで状態を確認します。
漢方薬局での副鼻腔炎体質チェック方法
鼻水が喉に流れる後鼻漏、長引く咳、においが分かりにくいことも相談のきっかけです。咳には喘息や逆流など別の原因もあり、嗅覚の低下にもさまざまな原因があります。鼻の症状と同時に起きたのか、夜間に強いかなどを記録して、診察時に伝えましょう。
第2部|耳鼻咽喉科で確かめること・治療すること
6 耳鼻咽喉科で何を調べる?
診察では症状の経過に加え、鼻の中の炎症や分泌物、鼻茸の有無などを確認します。必要に応じて内視鏡や画像検査が検討されます。薬局では診断や画像判定はできません。検査結果や医師の説明を共有していただくと、服薬や日々の養生をより具体的に相談できます。
7 抗菌薬は『黄色い鼻水なら必ず』ではない
急性の副鼻腔症状にはウイルス性のものも多く、鼻水の色だけで抗菌薬が必要とは決められません。重症度や経過に応じて医師が判断します。処方されたときは指示どおりに服用し、自己判断で手元の抗菌薬を飲んだり、残りを使い回したりしないでください。
8 花粉症・アレルギー性鼻炎が重なるとき
花粉やダニなどによる鼻の炎症があると、鼻づまりが続く背景になることがあります。くしゃみ、鼻のかゆみ、季節や掃除との関係を振り返ってください。原因に応じたアレルギー対策や点鼻治療は耳鼻咽喉科で相談し、薬局では使い方や併用薬を確認します。
第3部|漢方相談を安全に組み合わせる
11 漢方相談で最初に聞くこと
寺本仁は、鼻汁の性状、鼻づまりの時間帯、顔の重さ、冷えや熱感、睡眠、食事、季節変化、既往歴を伺います。舌・脈・腹などの東洋医学的な所見も参考にしますが、それだけで副鼻腔炎を診断するものではありません。耳鼻咽喉科での診断や治療歴と合わせて、今の困りごとを整理します。
12 体質の見立ては、処方を決める唯一の答えではない
漢方では冷えや熱感、体力、鼻汁の状態などを総合して処方を検討します。同じ鼻づまりでも候補が異なるため、『副鼻腔炎ならこの一剤』とは言えません。症状の経過や併用薬を確認し、必要に応じて医師へ相談します。体質という言葉で検査や標準的な治療を遅らせないことが前提です。
13 辛夷清肺湯などの名前を聞いたら
辛夷清肺湯、葛根湯加川芎辛夷、荊芥連翹湯などは、副鼻腔炎の相談で話題になる処方です。ただし、適応は製品ごとの効能・効果、体力、症状で異なります。慢性副鼻腔炎への有効性を示す質の高い比較試験は乏しく、誰にでも効くと断定できません。自己選択前に薬剤師と確認しましょう。
第4部|鼻をいたわる日々の養生
16 鼻うがいは水と器具の衛生から
生理食塩水による鼻洗浄が役立つ場合があります。必ず滅菌水・蒸留水、または十分に沸かして冷ました水を使用し、製品の説明に沿って濃度や器具の洗浄・乾燥を守ってください。未処理の水道水をそのまま鼻に入れないことが重要です。痛みや耳の違和感があるときは無理をせず相談を。
17 眠りを整えることから始める
鼻が詰まる夜は眠りが浅くなり、翌日の集中力も落ちやすくなります。就寝前に鼻の状態を確認し、寝室のほこりや乾燥、枕の高さを見直しましょう。いびきや呼吸が止まると言われる場合は睡眠時無呼吸などの評価も必要です。睡眠の工夫は治療の代わりではなく、生活を支える方法です。
18 食事は『禁止食品』より続けられる整え方
特定の食品を断つだけで副鼻腔炎が治るという確かな根拠はありません。食事を抜かず、たんぱく質や野菜を含む普段の食事を無理なく整え、水分を取りやすい形にすることから始めましょう。食物アレルギーの疑いがある場合は自己判断で大幅な除去をせず、医師に相談してください。
第5部|あおい薬局の漢方相談でできること
21 相談前に用意すると役立つメモ
鼻づまり・後鼻漏・嗅覚の変化が始まった日、悪化する時間帯、発熱、受診歴、検査結果、使用中の薬を一枚にまとめてみてください。市販薬、サプリメント、お薬手帳も確認の助けになります。長い説明を準備しなくても大丈夫です。薬剤師が質問しながら一緒に整理します。
22 初回相談の流れと、必要な受診の提案
あおい薬局の漢方相談は事前予約制です。困っている症状と生活背景を伺い、耳鼻咽喉科での評価が必要かを先に確認します。そのうえで、体質に合わせた漢方の選択肢、服薬上の注意、無理のない養生を相談します。診断や処方の必要性が高ければ、薬局内だけで完結させません。
23 対面だけでなく全国・海外からオンライン相談
練馬区のあおい薬局では、対面に加えて全国・海外にお住まいの方からオンライン漢方相談を受けています。アメリカやオーストラリアのクライアントさんは、相談後に現地のドラッグストアで入手できる漢方薬を確認して購入されています。製品名・成分・表示上の用途や販売条件は地域で異なるため、候補の写真やラベルを共有いただき、現地の医療者・薬剤師とも確認します。急な悪化時は滞在地の医療機関へ。
第6部|季節の養生を続け、次の一歩へ
26 季節の変化と鼻の調子を記録する
花粉の時期、冷暖房を使う季節、風邪の後などに鼻の調子が変わる方がいます。気温や湿度だけを原因と決めず、症状、睡眠、生活環境を短く記録しましょう。記録は治療の相談にも役立ちます。季節に応じて衣食住を見直すのは、漢方の養生を生活に生かす一つの方法です。
27 無理のない一週間のセルフケア計画
まず一週間、就寝時刻を整える、寝室のほこりを減らす、水分を取りやすくするなど、実行できることを一つか二つ選びます。鼻洗浄を行うなら衛生面を守ってください。症状の変化を記録し、よくならない場合は受診につなぎます。多くを一度に変えるより、続けやすさを大切にしましょう。
28 耳鼻科・薬局・ご本人で情報をつなぐ
診断や検査は耳鼻咽喉科、薬の確認と養生の相談は薬局、ご本人は日々の変化を伝える役割を担います。お薬手帳や検査結果、気になった副作用を共有すると、相談が具体的になります。治療の途中で疑問が生じたら、どちらか一方の説明だけで自己判断せず、医師・薬剤師に確認しましょう。
29 地球人倶楽部で四季の養生を学ぶ
地球人倶楽部は、東洋医学と予防医学の視点から、季節の食事・休息・身体の動かし方などを学ぶオンラインの場です。鼻だけを切り取らず、毎日の過ごし方を見直したい方にご案内します。副鼻腔炎の診断や治療を行う講座ではありません。詳しくは地球人倶楽部の案内ページをご覧ください。
30 鼻の悩みを一人で抱えないために
副鼻腔炎かもしれない症状が続くなら、まず必要な診察を受けてください。そのうえで、治療中の薬と体調に合わせた漢方・養生を考えたい方は、あおい薬局の予約制相談へ。全国・海外からのオンライン相談も受け付けています。四季の養生を継続して学びたい方には地球人倶楽部もあります。ご自身の状況に合う入口からご相談ください。
【相談の入口】漢方・養生相談:https://yojo.link/kampo/ 地球人倶楽部:https://yojo.link/20260401105135/ お問い合わせ:https://yojo.link/contact/ あおい薬局:東京都練馬区貫井4丁目30-25。この記事は一般的な情報であり、個別の診断・治療を代替しません。
【参考資料】日本鼻科学会『鼻副鼻腔炎診療の手引き』(2024):https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrhi/63/1/63_1/_article/-char/ja/ 日本東洋医学会『漢方製剤の記載を含む診療ガイドライン』(2024):https://www.jsom.or.jp/medical/ebm/cpg/pdf/typeC/20240402.pdf CDC『Sinus Infection Basics』:https://www.cdc.gov/sinus-infection/about/index.html FDA『Is Rinsing Your Sinuses With Neti Pots Safe?』:https://www.fda.gov/consumers/consumer-updates/rinsing-your-sinuses-neti-pots-safe












