季節の変わり目と漢方・養生
2026/10/05
季節が変わるたびに「朝からだるい」「頭が重い」「眠りが浅い」「手足が冷える」と感じていませんか。寒暖差や日照・湿度の変化に生活環境の変化が重なると、体調を崩したと感じることがあります。ただし、不調をすべて季節や「体質」のせいにしないことが大切です。本記事では、練馬区貫井・あおい薬局の薬剤師 寺本仁(地球人てらじん)が、現代医学の受診目安と東洋医学の見立て、毎日の食事・睡眠・運動・呼吸を30章に整理します。症状に合う相談先を選び、四季を通じて無理なく養生を続けるための案内です。
※この記事は一般的な健康情報であり、診断・治療や個別の服薬指導を代替しません。治療中の方、妊娠・授乳中の方、持病のある方は担当医・薬剤師にご相談ください。
目次
第1部|「季節のせい」で済ませない体調チェック
1 季節の変わり目に不調が出るのはなぜ?
朝晩の寒暖差、日照時間、湿度、花粉、仕事や学校の環境変化が重なると、眠気・だるさ・食欲の変化などを感じることがあります。ただし「気温差が原因」と症状だけで断定することはできません。
まずは、いつ、どこで、どんな症状が起こるのかを観察しましょう。季節に目を向けることは生活を見直すきっかけですが、長引く症状を放置する理由にはなりません。
今日の一歩: 気温・睡眠・主な症状を、同じメモに3日間記録してみましょう。
2 寒暖差の大きい日の、服装と室内環境
同じ日でも朝の外出時、昼の移動時、帰宅後では体感温度が違います。薄着のまま冷房の効いた室内で過ごしたり、厚着のまま汗をかいたりすると、快適さが損なわれます。
衣服は一度に厚くするより、脱ぎ着できる薄手の重ね着が便利です。室温・湿度は「全員一律」ではなく、体調、年齢、持病、活動量を踏まえて調整してください。
今日の一歩: 羽織りものを1枚持ち、室温と自分の体感を確かめましょう。
3 睡眠リズムが乱れると疲れやすい
季節による日の出・日の入りの変化に、夜更かしや休日の寝だめが重なると、起床時のつらさを感じることがあります。厚生労働省の睡眠ガイドでは、成人は個人差を踏まえつつ6時間以上を目安に必要な睡眠を確保するとしています。
時間だけでなく、目覚めたときの休養感も大切です。朝の光、無理のない活動、寝室の温度や光、就寝前の習慣を見直しても改善しない場合は、睡眠障害などの可能性を薬局や医療機関で相談しましょう。
今日の一歩: まず起床時刻をそろえ、起きたら自然光を浴びましょう。
第2部|春夏秋冬に合わせた具体的な養生
6 春|花粉・環境変化・眠気への対処
春は花粉や黄砂、気温変化、新生活の緊張が重なりやすい季節です。鼻水や目のかゆみはアレルギーの可能性があり、毎年繰り返す場合は漢方相談が役立ちます。
帰宅後に花粉を払い、洗濯物や室内への持ち込みを減らす工夫はできます。一方、強い眠気や疲れがすべて春特有とは限りません。睡眠不足や薬の眠気なども見直しましょう。
今日の一歩: 今年の春に困った症状を三つまで書き出してみましょう。
7 初夏|暑さへの順応と水分補給
急に暑くなった日は、身体が暑さに慣れていないことがあります。外で活動する際は、環境省の暑さ指数を確認し、暑い時間帯や激しい運動を避け、涼しい場所で休憩してください。
水分と必要に応じた塩分の補給が大切ですが、心臓・腎臓の病気などで水分や塩分の制限がある方は主治医の指示を優先します。「汗をかけば健康になる」と無理をしないことが基本です。
今日の一歩: 外出前に暑さ指数、飲み物、休憩場所をチェック。
8 梅雨|湿度と室内環境を整える
梅雨は湿度が高く、洗濯物が乾きにくく、室内のカビやダニにも注意したい時期です。湿度や温度によって寝苦しさが増すと、翌日の疲れにつながる場合があります。
換気、除湿、寝具の手入れを無理のない範囲で組み合わせましょう。東洋医学でいう「湿」の考え方は生活の見立ての一つですが、むくみや息切れをそれだけで説明せず、必要なら医学的な原因を確認します。
今日の一歩: 寝室の湿度を観察し、寝具の乾燥や換気を見直しましょう。
第3部|東洋医学の「体質」と現代医学をつなぐ
11 漢方でいう「気・血・水」をどう考える?
東洋医学では、体力や疲れやすさ、血色、冷え、むくみ、消化の状態などを「気・血・水」という枠組みで整理することがあります。複数の特徴を一度に捉えるための伝統的な見立てです。
これらは血液検査の数値や現代医学の診断名と一対一に対応するものではありません。漢方の視点と、病歴・検査・現在の治療を行き来しながら、生活上の課題を整理することが大切です。
今日の一歩: 疲れ・冷え・むくみなど、いま強い順に記録しましょう。
12 舌・脈・腹と生活ヒアリング
漢方相談では、舌の色や状態、脈、腹部の所見に加え、睡眠、食事、便通、ストレス、運動、季節ごとの変化を確認します。一つの所見だけで体質や病名を決めることはありません。
あおい薬局では「春になると鼻がつらい」「秋は眠りが浅い」といった生活の言葉も大切にします。服薬中の薬やサプリメント、受診歴、検査値なども共有いただくと、提案の安全性を確認しやすくなります。
今日の一歩: 次の相談用に、症状で困る時間帯と服薬内容をまとめておきましょう。
13 疲れやすさを「気虚」だけで決めない
漢方では疲れやすさや食欲の低下を「気虚」という考え方で説明することがあります。ただし、貧血、甲状腺機能の異常、睡眠時無呼吸症候群、うつ病、感染症などでも似た症状は起こります。
疲労が何週間も続く、息切れ・動悸・体重変化を伴う場合は医療機関での確認が先決です。異常がない場合も、生活習慣と現在の状態を踏まえた無理のないセルフケアを一緒に考えます。
今日の一歩: 疲労が続く期間と、同時に出ている症状を確認しましょう。
第4部|食事・睡眠・運動・呼吸の基本
16 季節に合った食事は「極端にしない」が基本
旬の野菜や魚、温かな汁物を取り入れると、季節を楽しみながら食事のバリエーションを増やせます。ただし、「旬の食材だけで治る」「冷たい飲み物は全員禁止」といった極端な考え方は避けましょう。
まずは主食・主菜・副菜をそろえ、体調や活動量に合わせて食べることが基本です。食物アレルギー、糖尿病、腎臓病などで食事制限が必要な方は、担当の医師・薬剤師・管理栄養士の指示を優先してください。
今日の一歩: 今日の食卓に、旬の野菜を一品加えましょう。
17 たんぱく質と食物繊維を日々の食卓へ
忙しい日は麺類や菓子パンだけで済ませ、たんぱく質や野菜が不足しやすいことがあります。魚、卵、大豆製品、肉などから無理なく主菜を選び、野菜や海藻、きのこ類を組み合わせましょう。
高齢の方、運動量の多い方、妊娠中の方、慢性疾患がある方では必要量や制限が異なります。「たくさん食べればよい」ではなく、全体の食事量と個別の条件を大切にします。
今日の一歩: 朝食か昼食に、主菜となる食品を一品足しましょう。
18 水分補給は季節と体調に合わせる
夏は汗で失う水分が増えますが、冬も暖房や活動によって水分が不足する場合があります。のどの渇き、尿の色や回数、活動量などを参考に、飲みやすい温度の水やお茶をこまめに取りましょう。
大量発汗や熱中症の危険があるときには、涼しい場所への移動と適切な水分・電解質補給が重要です。一方、心不全や腎不全などで制限のある方には一律の摂取量を勧められません。
今日の一歩: 水筒を見える場所に置き、飲み忘れを減らしましょう。
19 眠りを守る、夜の90分
就寝前の強い光、長いスマートフォン利用、遅い時間の多量飲酒などは眠りの妨げになる場合があります。入浴・読書・照明を落とすといった落ち着いた習慣を、自分に合う範囲で選びましょう。
決まった時刻に寝なければと焦るより、翌朝の起床時刻と日中の眠気、睡眠休養感を合わせて見直します。眠れない日が続く、いびき・無呼吸がある場合は医療機関で相談してください。
今日の一歩: 寝る前の30分だけ、画面から離れる時間を作りましょう。
20 散歩・筋トレ・裸足感覚を無理なく
身体活動は、健康づくりの柱の一つです。厚生労働省の運動ガイドでは、成人に歩行など1日60分程度を目安としつつ、個人差を踏まえ、今より少しでも活動を増やすことを勧めています。
地球人てらじんが大切にする足裏感覚の散歩も、身体の状態と環境を見極めて楽しみましょう。裸足歩行は必須ではなく、糖尿病性神経障害、足の傷、転倒リスクがある方には不向きな場合があります。先ずはご相談ください。
今日の一歩: 今できる速さで、まず5〜10分の散歩から。
個別の漢方・養生相談:https://yojo.link/kampo/
四季の養生を学ぶ地球人倶楽部:https://yojo.link/20260401105135/
第5部|よくある不調への実践的なセルフケア
21 呼吸・気功・休息を日常に置く
緊張が続いたときは、座って足裏を床につけ、吸う息と吐く息を無理なく感じてみましょう。呼吸を速く深くしすぎる必要はありません。気功や軽いストレッチも、身体の感覚を確かめる時間として取り入れられます。
呼吸法は疾患の治療に代わるものではなく、息苦しさや胸痛がある場合は運動や呼吸練習を中止し受診してください。リラックスできない日に無理に続ける必要もありません。
今日の一歩: 1日1回、椅子に座って肩の力を抜く時間を。
22 冷暖房との付き合い方
夏は冷房で身体が冷えると感じる一方、冷房を我慢すると熱中症の危険が高まります。室温だけでなく、湿度、風の当たり方、衣服、熱中症警戒情報を踏まえて室内環境を整えましょう。
冬も暖房による乾燥と換気不足を避けたいところです。赤ちゃん、高齢者、持病がある方は温度変化の影響を受けやすい場合があり、家族全員の体感に配慮します。
今日の一歩: 冷房の風が直接当たる場所や、寝室の乾燥を確認しましょう。
23 鼻炎・花粉症が毎年つらいとき
春や秋にくしゃみ、透明な鼻水、目のかゆみが続くときは、季節性のアレルギー性鼻炎が疑われます。風邪、副鼻腔炎など別の原因もあるため、症状が強いときは自己判断だけでなく相談しましょう。
花粉の飛散時期には、帰宅時に衣服の花粉を払い、室内への持ち込みを減らす工夫ができます。処方薬や市販薬を使っている場合は、漢方薬との重複や眠気なども薬剤師に確認してください。
今日の一歩: 鼻症状が出る時期と服薬歴を記録しておきましょう。
第6部|練馬区貫井のあおい薬局と地球人倶楽部へ
26 7日間の「体調の見える化」ノート
最初の一週間は、起床時刻、就寝時刻、食事、活動量、便通、主な症状を一言ずつ書いてみましょう。天気も記録するなら、気温や雨そのものより「症状と生活の変化が一緒に起きたか」を見ます。
すべてを毎日埋める必要はありません。数日分でも、医師や薬剤師に相談するときの材料になります。プライバシーに配慮し、第三者と共有する際は必要な情報だけを選んでください。
今日の一歩: 記録する項目を三つ決め、紙かスマートフォンで始めましょう。
27 今日から始める一週間の季節養生
月曜は起床時刻、火曜は朝の光、水曜は旬の食材、木曜は小さな運動、金曜は休息、土曜は室内環境、日曜は一週間の振り返り。生活のなかで一つずつ試してみるモデルです。
体調が悪い日に計画を守る必要はありません。休むことも大切な選択肢です。継続してつらい症状があれば、セルフケアの成果を待つより医療機関で評価を受けてください。
今日の一歩: 今週は「無理なく続けられそうな行動」を一つ選びましょう。
28 あおい薬局の予約制・漢方養生相談
東京都練馬区貫井のあおい薬局では、漢方薬剤師の寺本仁(地球人てらじん)が、現在の症状、生活習慣、服薬、季節との関係を詳しく伺います。相談は完全予約制で、対面・オンラインに対応しています。
相談では、体調と併用薬の安全性を確認しながら、漢方と食事・睡眠・運動などの養生を検討します。必要な診療や検査がある場合は受診を優先し、薬局だけで完結させないことを大切にしています。その際は処方箋もお持ちいただくことをお勧めいたします。
今日の一歩: 予約前に症状の経過とお薬手帳を用意しましょう。












